猫ちゃんが甘えてくれると、とても幸せな気持ちになりますよね。歩き出すとついてきたり、座ると膝に乗ってきたり…
ふかふかでやわらかな猫ちゃんを抱っこしていると、一日の疲れが吹っ飛びます。
しかし、いつでもべったりとした関係を続けてしまうと、猫ちゃんにとって辛い「分離不安症」を引き起こす可能性があります。
「何が原因で不安になるの?」
「普段から何に気をつけたら良いの?」
「猫にとってのストレスって何?」
飼い主さんのライフスタイルが変わったり、引っ越しや死別など避けられないことも、変化を嫌う猫ちゃんにとっては大きなストレスになります。
愛猫が不安にならないように、私たちにできる予防策を紹介しますのでぜひご覧ください。
すでに分離不安で悩んでいる場合は獣医さんに相談することが先決です。本記事は予防策としてご活用ください。
分離不安の症状
分離不安とはどのような症状かご存知でしょうか
そうなんです。
「飼い主さんがいることが当たり前で、離れることに強い不安(ストレス)を感じている状態」が分離不安です。
- 飼い主がいないと大きな声で鳴き続ける
- 部屋を荒らす
- 誤飲してしまう
- トイレ以外で粗相をする
- 脱毛するほどグルーミングする
- 食欲が落ちる
猫ちゃんがお留守番中に部屋の物を荒らして、噛みちぎった破片などを誤飲すると命に係わる可能性もあります。
なぜ不安(ストレス)に感じるのか
愛情が足りていないのでしょうか
なぜストレスを感じてしまうのか?私たちの愛情が足りていない=満たされていないから極度な不安やストレスを感じているのでしょうか
…じつは逆なんです。
飼い主さんと一緒にいる時間=幸せ
お留守番(ひとりぼっち)=苦痛
この感情の落差が分離不安を引き起こしてしまうのです。
愛情を向けることはそこまで問題があるのでしょうか?次の章で詳しくご説明します。
私たちの行動が原因の可能性
自分の感情任せにかまっていませんか?
猫ちゃんは本当に魅力的な生き物です。寝ている姿、甘える姿、いきいきと遊ぶ姿…どれをとっても飼い主さんからすれば、愛らしい姿ですよね。
普段からストーニャー、寝る時はもちろん同じお布団で…このようにべったりとしていると、猫ちゃんはいつまでも自立できません。
適度な距離|線引きが必要
それぞれの時間を大切にする
愛猫との時間・家事や育児・仕事・家族や友人との時間
好きな場所で日向ぼっこ・窓からニャルソック・ひとり遊び
このような線引きが必要です。
飼い主さんに依存している猫ちゃんは、ひとりぼっちの時間を過ごすのが苦痛になってしまいます。
私たちが外で自分の時間を過ごしている間、猫ちゃんはずっと帰りを待っている…これはとても辛いことですよね。
猫ちゃんからの依存だけではなく、飼い主さんも依存してしまうと、とてもやっかいです。
怖い「共依存」について見てみましょう
共依存が引き起こす分離不安の影響
私たちも猫ちゃんに依存し過ぎていませんか?
自分の物を買うのはためらうけれど、猫グッズを買うのは即決という方も多いですよね。通販サイトでもすぐにポチっとしてしまいがちです。
猫ちゃんが暮らしやすいように試行錯誤することは大切ですが、他のことをしていても猫ちゃんのことをずっと考えてしまうのは良くありません。
私たちが猫ちゃん離れできないと「かまい過ぎる」きっかけになります。
「猫ちゃんを思えば適切な距離感が大事」ですが、距離感と言われても具体性に欠けますよね。
具体的な距離感、予防策はあるのでしょうか?
予防策は日常を見直すこと
住みよい環境づくりからはじめよう
目指すは「ひとりぼっちでもお留守番を満喫できる」自立した猫ちゃんです。
- お気に入りの寝床がある
- 清潔なトイレがある
- 新鮮な水が飲める
- 暖かい、涼しい場所がある
- ひとり遊びができる
- 自由に爪とぎができる
- のびのびと快適な空間
猫ちゃんにとって住み良いおうちを作ってあげるのは重要です。環境の変化に弱いため、家具の配置をころころ変えるのは控えましょう。
例えば、私たちはソファーやテーブルの位置を変えると気分転換になりますが、猫ちゃんにその変化は不要です。
お気に入りの寝床を確保し、ひとりでも気持ちよく過ごせるように工夫してあげましょう。
予防策①私たちの対応
かまい過ぎない
少し寂しいですが、かまい過ぎないことを心がけましょう。
寝ている時に撫でたり、猫吸いしたりしていませんか?スキンシップは大切ですが、それは常にべったりという意味ではありません。
イエネコとは言え野生の本能をもつ猫ちゃんなので、リラックスして寝ている時はそっとしておいてあげましょう。
予防策②物理的に離れる時間をつくる
一日に少しでも、離れる時間をつくる
テレワークも増え、外出し辛い日常になってしまいましたが、一日中家にいると一緒にいる時間が長くなります。
一緒にいる間は問題がないように感じますが、これから先は通勤生活に変わったり、出張などで家を空ける日が来るかもしれません。
小さな訓練の積み重ねとして、少し家をあける工夫をするのも大切です。
私たちにとってもずっと家にいるのは良くありません。適度に体を動かすことも大切です。
お買い物は徒歩で行ったり、時間に余裕があるならお散歩を習慣にしてみるのはいかがでしょうか。
予防策③メリハリをつける
ONとOFFをつくる
べったりとかまうのは良くない、距離をとることも大切…でも、愛猫との時間も大切にしたいですよね。
そこでメリハリです。
ONは全力で向き合い、一緒に遊びます。狩りを模した遊びは猫ちゃんの狩猟本能をくすぐります。
いきいきとした黒目で追いかける姿は本気で楽しんでいるのが伝わりますね。
OFFはお互いの時間を大切にします。可愛いからと無理やり抱っこをせず、寝ている時はそっとしておきましょう。
先ほどの共依存にも関わりますが、片方ではなくどちらも自分の時間を大切にするのが本当に大事ですね。
猫ちゃんと遊ぶことはとても重要です。ぜひこちらもご覧ください。
予防策④落差をつけない
感情のコントロールでストレスを生まない
猫ちゃんは賢い生き物です。体内時計を持っており、ルーティンをつくるのがとても上手です。
飼い主さんが「行ってきます」と言えば、しばらく帰ってこない=寂しいと感じてお出かけを阻止しようとする猫ちゃんもいます。
夏目家のひめちゃんは、私がかばんを持つと反応します。
出掛ける準備をしている時はドアを行き来しても無反応ですが、かばんを持ってドアに向かうと出かけるのが分かるようです。
一緒にいてもお互い干渉し過ぎない
外出中もひとりでお留守番できる
外出が大きな不安イベントにならないように、注意しましょう。
猫ちゃんとの幸せな時間は限られています
猫ちゃんの平均寿命は15歳
医療の発展にともない、寿命は延びています。私の周りでは20歳まで生きたご長寿な猫ちゃんが数匹います。
それでも「一緒に暮らせる幸せな時間」は短く感じますよね。人間より4倍もの速さで成長する猫ちゃんは、子猫から育ててもあっという間に私たちを追い越していきます。
愛情をスキンシップと名付けて押し付けてしまうと、猫ちゃんが苦しい思いをするかもしれません。
お互いに幸せに暮らせるように、必要な距離感をもつことを意識しましょう。
まとめ
一緒に暮らしていると魅惑的なシーンが多いですよね。ふかふかのお腹でへそ天している姿はつい触りたくなりますし、気を抜くと猫吸いしてしまいます。
猫ちゃんをかまうのが悪いということではありません。タイミングにより、適切な距離を保つことが一番です。
「自分の生活|猫ちゃんの生活」
線引きをすることを寂しいと思わず、お互いに自立して素敵な関係を作りましょう。
もし分離不安が進行している場合は獣医さんに相談することが重要です。自己判断で行動を起こすと悪化する可能性もありますので注意して下さい。
愛猫との素敵な関係のヒントになれば幸いです。
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