ねこちゃんの体重管理はできていますか?
1匹飼いの場合はまわりの子と比べる機会が少ないので、体重が増えても気付きにくいです。食べることが大好きで甘え上手なねこちゃんと暮らしていると、ついついフードやおやつを与えてしまいがち。
定期的に体重計に乗るなど、数値でチェックをしておかないと知らないうちに肥満になってしまうことも・・。
肥満は病気のリスクを高め、寿命を縮めてしまう恐れがあるんです。
本記事でわかること
肥満による病気のリスク
適正体重の調べ方とは
避妊・去勢手術後のフードの切替えが勝負
食いしん坊なねこちゃんには難しい課題ですが、健康管理は飼い主さんの腕にかかっています。
まずは肥満による病気のリスクから、一緒に見ていきましょう
肥満による病気のリスク
猫は液体。
もちもちと柔らかく、ふくふくと育ったねこちゃんは愛らしいですよね。
・・でも気軽に可愛い~!と言っていられない理由があります。
それは肥満による病気のリスクが大きいから。
- 糖尿病
- 脂肪肝
- 膀胱炎
- 尿路結石症
- 関節炎や椎間板ヘルニア
- 心臓への負担大・・等々
人間はダイエットをしようとしても、足腰を痛めている人は運動が制限されますよね。ねこちゃんも同じで、目の前で大好きなねこじゃらしをふっても痛みがあると遊ぶのが難しくなります。
消費カロリーは落ちる中、摂取カロリーだけは増えていく・・そんな状態じゃダイエットは成功できません。
さらに恐ろしいことに、適正体重と肥満のねこちゃんを比較したところ肥満のねこちゃんの方が、約2年も寿命が短いという研究結果が出ているんです。
肥満による突然死について
かかりつけの獣医さんのお話ですが
そのねこちゃんはみんな肥満だったそうです。
ねこちゃんの平均寿命は15年、長くても20年前後と言われています。
人の4倍のスピードで成長するねこちゃんと一緒に暮らせる時間は短く感じてしまいますね。
健康で幸せに寿命をまっとうしてもらう為にも、突然死のリスクを下げなければなりません。リスクを下げる第一歩が、肥満にさせないことです。
突然死は肥満だけが原因ではないでしょうが、少しでもリスクを減らすために太らせないことが大切ですね
適正体重は知っていますか?
体重測定をしないと!
肥満にさせないように!
ねこちゃんは生まれてからぐんぐんと成長し、1年が経つ頃に成猫となります。
子猫の間は体重の増加とともに成長の確認をしますが、成猫になる頃には成長も止まるため、適正体重の維持が求められます。
1歳時点で3㎏~5㎏と記されている事が多いのですが、2㎏の幅がありますね。
猫種や性別、避妊・去勢手術をしているかなど様々な理由があるので難しいところですが、体重の他にも適正かどうかの判断ができます。
ねこちゃんの体型の判断に使われるのが、ボディ・コンディション・スコア(BCS)です。
見て・触って調べるので、体重よりさらに具体的な判断として使われます。
BCSは5段階に分けられ、愛猫が現在どのスコアかを調べることができます。
BCS1 痩せ
BCS2 やや痩せ
BCS3 理想的
BCS4 やや肥満
BCS5 肥満
肋骨に触れることはできるが、見えなくて腰のくびれがわずかに見られる状態が理想的なBCS3と言われています。
くびれがなかったり、もっちりと丸い体系をしていたらやや肥満~肥満に近いです。
参考:環境省「飼い主の為のペット・フードガイドライン~犬・猫の健康を守るために~」
子猫のときにワクチン接種や健康診断などで動物病院へ行くときに、およその適正体重を教えてもらうのはとてもおすすめです。
先生に見て触ってもらえるベストタイミングなので、活用しない手はないです!
避妊・去勢手術後のフードの切替え
子猫の間は栄養素の高いフードを食べ、避妊・去勢手術後は太りやすくなるためフードを切替えます。
なぜ太りやすくなるかというと、手術をすることで代謝がかわるから。
フードの切り替えがうまくいかないとじわじわと体重は増え、肥満になる可能性が高いです。
この考えは残念ながら間違いです。
避妊・去勢後から全ての年齢にと書かれたフードを見たことはありませんか?手術後は太りやすくなるため、子猫用から切り替えなければなりません。
ねこちゃんは成長が早く、メスは4か月から、オスは8か月から繁殖が可能となります。
この時期には手術を行うことが理想とされているので、1年間子猫用を与える=という考えではいけません。
フードの切替え時期を誤り、肥満に・・
生後半年頃に避妊手術を終えてから、すぐ我が家にきました。
避妊・去勢後の全年齢用のピュリナのターキー(現在は生産終了)を与えてみたところ、子猫用のフードより食いつきが良くなかったため、切替えを遅らせてしまったのです。
お迎えの準備として子猫用のフードを定期便で購入していたこともあり、最初の頃は違和感もなく与えてしまいました。
その後は量を減らしつつ様子をみていたのですが、そもそも高カロリーな子猫用を与え続けてはいけなかったのです。
少し気になることがあり動物病院を受診したところダイエットが必要と診断され、現在は艇カロリーなフードに切替え、積極的に運動をしています。
そのおかげで最近は体重も減少してきました。
肥満になるのは適正な量を量らずにたくさん与えるからだ、と思っていましたが実際に肥満だと診断されてとても落ち込みました。
それと同時に動物病院へ行くことの重要性も感じました。
ほんの少しの違和感でも動物病院を受診することは大切。
ねこちゃんのダイエットは難しい
それは、ねこちゃんのダイエットは難しいということ。
難しいとはどういうことでしょうか?
- おもちゃで遊ぶのは好きだけど、飽き性
- 継続して走らない(狩りのスタイルは待ち伏せ)
- 食べることが大好き!
- 自由気ままな性格
思い当たるところはありますか?
昨日食いついていたネズミのおもちゃに反応が薄くなったり、大好きだった羽のねこじゃらしに見向きもしなくなったりと、ねこちゃんは自由です。
フード量を減らし、運動量を増やす
短期ではなく長期、ゆっくりと取り組むことが大切です。
ダイエット|実践
はじめの一歩はフードの切替です。
- カロリーの低いものに切り替える
- 表示してある給与量を守る
- 置き餌ではなく、回数を分けて与える
- おやつを控える(与える場合はその分フードを減らす)
おねだりをする猫ちゃんには水分の多いウェットフードを与えるなど、満足度をアップしてあげたいですね。
ネスレのピュリナワンを例にカロリーをご紹介(100グラム単位)
味 | カロリー | 与える年齢/用途 |
---|---|---|
チキン | 390 | 1歳までの子ねこ用/妊娠・授乳期の母猫用 |
チキン | 370 | 1歳以上の美味を求める成猫用 |
サーモン&ツナ | 370 | 1歳以上の美味を求める成猫用 |
チキン | 351 | 1歳以上の室内飼い猫用 |
サーモン&ツナ | 352 | 1歳以上の室内飼い猫用 |
チキン | 340 | 1歳以上の太りやすい猫用 |
参考:ピュリナワン(2022年5月時点)
給与量を一気に減らしたり、絶食などは絶対にNG!無理なダイエットは肝臓に脂肪が溜まる脂肪肝を引き起こします。
フードはデジタルの計量器で量るのがおススメ
おもちゃで遊ぶ時間は作れていますか?
『気が向いたら遊んであげている』
『時間がある時は遊ぶようにしている』
たまにではなく毎日遊ぶ時間=習慣を作ってください。
朝仕事に行く前や晩ご飯を食べたあと、など。
ねこちゃんはルーティーンを大切にするので、生活のリズムの中に一緒に遊ぶ時間を上手に組み込んでみましょう。
ダイエットというと辛く大変なイメージがありますが、一緒に楽しく遊んでストレスなくゆっくりとすすめられたら良いですね。
おもちゃに飛びつく姿は愛らしく、こちらもストレス解消になります。
フードを減らすとストレスになるため、遊びを通じてストレス発散のお手伝いをしましょう!
ダイエット|遊ぶときのポイント
自動ねこじゃらしはとても人気で、ひとりで遊んでくれるので楽ちんですが、動きが単調になるため飽きてしまうことがあります。
壊れるんじゃないかという程・・
飼い主さんと一緒に遊ぶ と 自動のおもちゃを併用できたらとても良いと思います。
キャットタワーや階段などがあれば、上下運動を積極的に取り入れたいですね。
効率よくカロリー消費に繋がるし、猫ちゃんは上下運動が好きなので喜んでくれます。
一緒に遊んだあとに少量のおやつを与えるのも良いですが、おやつは必ずしも必要な物ではない為、与える際にカロリーの計算が必要です。
例えば、みんな大好きちゅ~る(まぐろ)は1本7キロカロリーあります。
それに対し、ピュリナワンの1歳以上の太りやすい猫用チキンのカロリーは100グラムあたり3.4キロカロリー。
この場合、ちゅ~る1本は(カロリーを抑えた)フードのおよそ2グラムに相当します。
たった2グラムに感じますが、せっかく適量を量ってフードを与えていても、毎日おやつを与えてしまうとその分がカロリーオーバーです。
減量中におやつを与える際は、おやつ込みの1日のカロリーを守るなど工夫してみて下さい。
ねこちゃんは飽き性なところがありますが、再熱することもあります。
色んなおもちゃを試して、その時のお気に入りで思い切り遊んであげましょう
まとめ
ねこちゃんの肥満はとても怖いですね。
病気になるリスクは上がるし、突然死の可能性もあります。
まずは現在の体重の把握がとても大切です。
- 定期的に体重を測ること
- 年齢や状態に合ったフードを与えること
- 少しでも違和感を感じたら動物病院を受診すること
自由気ままなねこちゃんにダイエットをさせるのは大変です。
フードを与える私たち飼い主が注意しないといけないですね。