猫ちゃんの防災セットを準備していますか?と聞かれたら、『自分の防災セットすら用意していません』という人が多いのではないでしょうか
実際に災害が起きてからでは手遅れで。
かと言って、平穏な日常では準備を後回しにしがち。
今回防災について・ペットと一緒の避難・今までの災害情報などたくさん調べてみましたが・・何も準備をしていない自分の状況が急に怖くなりました。
いつ何が起こるか誰にもわからないのに。
でも、知ることで一歩前に進めます。避難をする瞬間に必要な物を集める時間はないでしょうし、あの時準備していたら良かったと後悔するのは嫌ですよね。みなさんもこのタイミングで真剣に考えてみませんか?
もしもの将来、今日の決断に救われる日がくるかもしれません。
ペットは”一緒に避難”が鉄則
なぜ一緒に避難が大切なのかというと、二度と会えなくなる可能性があるからです。
猫ちゃんは隠れるのが上手ですし、無理やり外に出すより家の中にいたがるでしょう。防災セットを準備していなかったらとっさに何を持って行ったら良いかわからないですよね。
いったん自分たちは避難をし、すぐに帰宅できるのなら「無理やり連れ出さない方がこの子の為かも」・・その判断は間違いです。
猫ちゃんと飼い主さんは一緒に避難がルール
選択肢があると当日パニックになります。この2点はおさえておきましょう!
- 人と猫の防災セットは並べて置いておく
- 猫ちゃんと一緒に避難する
猫ちゃんをお迎えした私たちには命を守る責任があります。
猫ちゃんの防災セット:最重要なものから準備
生きていくうえで必要な物が最重要です。
環境省の災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>を参考にまとめてみました。
- ペットフード(5日分は必須)
- 水
- 食器
- 処方されている薬
- トイレ用品一式(砂・うんちが臭わない袋)
- 首輪・ハーネスなど
持ち物のポイントは、普段使用している物を用意すること。
防災セットは軽ければ軽い程ありがたいですが、例えば普段使用していない軽い猫砂を準備していても、警戒して使ってくれないかもしれません。
フードも同じで、1週間分のサンプルをもらったからと防災バッグに入れたとしても、はじめてのフードは食べてくれない可能性があります。
猫ちゃんは特に環境の変化に弱い生き物です。ストレスのかかる緊急時でも愛猫が困らないよう、普段から色々なものに慣れさせておくのが大事です。
- 子猫の頃から色んな味のフードを食べさせておく
- ゼリーやカリカリ、スープなど触感の違うものも食べさせる
- トイレの砂は好みのものを知っておく(砂の大きさなど)
猫ちゃんは子猫の時期に食べたものしか食べ物と認識しない=食べない、と言われています。それまでにたくさんの選択肢を与えてあげたいですね
猫ちゃんの防災セット:用意しておきたいもの
猫ちゃんを安心させてあげられるのは飼い主さんだけ
- 愛猫と証明できるもの
- おやつ(大好物なもの)
- 匂いのついたおもちゃ
- お気に入りのタオル
- ブラシ
などなど
最重要なものとは別に、用意しておきたいものは愛猫を安心させてあげられるものです。繊細な猫ちゃんは普段と少し違うだけでも不安になりがちです。
「安心させてあげるにはどうしたら良いでしょうか?」
飼い主さんが優しく声をかけスキンシップを取ることも大切ですが、普段遊んでいるおもちゃやおやつがあると良いですね。
小さくて誤飲のキケンがあるものは避けた方が無難です。動物病院が開いていない可能性も高いので、万が一が起きないように丈夫なけりぐるみなどがおススメ。
体調の変化などに気を配りつつ、しっかりと寄り添ってあげましょう
猫ちゃんの防災セット:はぐれても出会えるように
避難所ではぐれたら大変です。うちの子ですと言えるように準備を
- 首輪に迷子札をつける
- マイクロチップの装着
職場の駐車場で日向ぼっこをしていた猫ちゃんが首輪をしていました。綺麗な毛並みで人慣れしていて、首輪にはきいちゃんとお名前が書いてました。
外でばったり会った猫ちゃんが飼い猫なのか野良猫なのか、誰にもわからないですよね。もし愛猫が保護されて、「うちの子です」と証明するものがないと連れて帰るのに手間がかかるかもしれません。
保護した側も言われるままに渡してしまって、その後本当の飼い主さんが現れたら大変です。
「では、”うちの子の証明”とはどうすればよいでしょうか?」
スマホに写真があれば話は早いですが、避難する際にスマホの充電が切れたり・故障も考えられます。アナログですが写真をプリントアウトして持ち歩くのも大切。
猫ちゃんの特徴がよくわかる写真や、飼い主さんと一緒に写っている写真があれば安心です
令和4年6月1日から、ペットショップやブリーダーで販売される「わんちゃんや猫ちゃんのマイクロチップ装着が義務化」されました。
譲り受けた場合や保護猫をお迎えした場合は義務ではなく努力義務となります。
室内飼いでは不要に思っていましたが、災害も多く、いつ何が起こるかわからない現在ではマイクロチップの装着も考えなければなりませんね。
室内飼いで見落としがちな不安
普段使わないものは、練習しないと使えない
「猫ちゃんのワクチン接種は終えていますか?」
外と家を行き来するより、完全室内飼いの猫ちゃんの方が病気のリスクは低いですよね。野良ネコとケンカや、白血病などを患っている猫ちゃんから感染するリスクがないからです。
これから先も家の中で飼うから安心!と思っていると大きな落とし穴があります。緊急時には避難所に多くの動物が集まるかもしれません。
愛猫に病気が移るリスクはゼロではないし、もしワクチンを打っていなければ他の猫ちゃんに移す可能性もあります。
ワクチンは接種後すぐに効果があるわけではありません。避難所でワクチン接種の証明を求められることもありますので、獣医さんの指示に従い早めに接種するようにしましょう。
「猫ちゃんは首輪をしていますか?」
イエネコの場合、首輪をしていない家庭も多いのではないでしょうか?ひめちゃんは首輪チャレンジに失敗したのでつけていません。
もし避難所ではぐれてしまったら取り返しのつかないことになるので、迷子札をつけることも考え、首輪に慣れさせないといけないなと思っています。現在ハーネスの練習中です。
完全室内飼いの場合は感染病や迷子になるリスクはとても低いですが、いざという時の為に備えが必要ですね。
”うちの子の”防災の課題をみつける
周囲の意見ではなく【うちの子】と避難する際の課題はなんだろう?
普段一緒に暮らしていると問題がなくても、緊急時には普段通りとはいきません。それを踏まえたうえで課題はありませんか?
- 来客があると逃げてしまう
- 適切なスキンシップが取れない
- 避妊・去勢手術をまだ受けていない
- 食べるフードの種類が極端に少ない
- ケージに入るのが苦手
- 首輪が苦手
- ハーネス(リード)が苦手
- 便秘になりがち
- 療法食を食べている
- 薬を処方されている
パッと思いつく課題でもこんなにありました。愛猫に置きかえてみるといかがですか?我が家のひめちゃんも苦手な物がたくさんあります。
これらは飼い主さんが意識をして備える必要があります。
①②は根気よくいきましょう。来客のあとはお客さんの匂いがついている(座った場所など)でおやつをあげて、おいしいもの(嬉しいこと)で上書きする。スキンシップも繰り返し慣れてもらいましょう。
⓷出産を考えていないのならば、時期をみて避妊・去勢手術をしましょう。もし避難生活中に妊娠、出産となれば必要な物がそろわない可能性もあります。病気のリスクもあるため決断したら手術を受けましょう
④~⑦は猫ちゃんにとっても重要です。フードは突然終売になる可能性もあるし、普段使わない首輪やハーネス、ケージに突然入るなどストレスの連続です。
⑧~⑩は命にかかわる可能性があります。薬を服用、療法食を食べている猫ちゃんは避難時に手に入らない可能性が極めて高いです。
便秘気味な猫ちゃんも普段からケアをして、腸内環境を整えておかなければなりません。
人懐っこく健康な猫ちゃんA
警戒心が強く療法食を食べている猫ちゃんB
例えばAとBの猫ちゃんの課題は全く異なりますよね。愛猫の苦手なこと、練習しないといけないことなど課題を明確にしておくことが第一歩です。
猫ちゃんと仲良くなるとスキンシップがとりやすいです。逆にスキンシップができないと不調に気付くのが遅れたり、日々のケアに支障が出ます。
大切な猫ちゃんの健康管理の為にも遊びを通じて仲良くなりましょう
自分の備えも大事
大切な家族を守るために、まずは自分が助かること
猫ちゃんの防災セットについてのポイントがわかりました。防災用品を一式用意するだけではなく、緊急時にも選ぶことができるよう普段から選択肢をつくることが大切だということ。
しかし猫ちゃんの準備は万全でも、自分たちの防災準備が出来ていないと心の余裕がなくなります。これを機に猫ちゃん用と飼い主さん用どちらもそろえてみましょう!
実際に必要な物をすべて用意すると、かなりの重量が考えられます。荷物は誰が持ちますか?その時になれば重さなんて意識しないかもしれませんが、両手が自由になるリュックタイプはある程度の重さがあっても持ちやすいですよね。
肩掛けバッグなら、長さを調整するなど自分の持ちやすい・動きやすい状態にしておくことは事前準備として必要です。(私は身長157㎝なので、かばんは長さ調整することが多いです)
人間用の防災セットでありがちな、あとは○○を入れたら完成!では不十分です。かばん一つ、それを掴んで避難できる状況にしておくことも大切。
防災士厳選の防災グッズ39点セット
防災セットのメンテナンス
買ってひと安心・・ではありません!実際に使ってみて
実際に届いたら、これでもう大丈夫・・安心しちゃいますよね。でもここで終わってはいけません!実際に使ってみましょう
- 食器はどんな手触りなのか、実際にフードを入れて食べてくれるか
- 簡易トイレを出してみて猫ちゃんに入ってもらう
- トイレ掃除のタイミングなどを使って、実際に砂を入れてみるのもあり
- ケージに入って動けるスペースがあるか見てみる。中でリラックスできるよう普段からリビングに置いておく
などなど。
実際に使ってみて、気付く点も多いです。
ローリングストックという考え方
無駄は出さない!効率よくストックする
あまり聞きなれない名前ですが、みんな自然にやっているはず。
- 普段食べているフードを多めに購入し、防災セットにも入れておきます。
- 次に購入した新しいフードと、防災バッグに入れてある消費期限が近い古いフードを入れ替えます。これで無駄が出ず常に新しいフードを保存できるのです。
これをしていると、もしフードを別の物に切り替えたとしても常に最新のものに変えていけるので安心ですね。
まとめ
今回はじめて猫ちゃんの防災セットについて真剣に考えてみました。私たち飼い主は猫ちゃんもわんちゃんも大切な家族ですが、動物と暮らしたことがない人には想像できない世界かもしれません。
避難生活が続くと心に余裕がなくなる人だっているだろうし、動物アレルギーの人だっています。それでも同じ避難所で生活することになるかもしれないのなら、私たちが出来ることは準備をすることです。
エチケットとして例を挙げるなら
- うんちがにおわない袋を用意
- 逃げ出さない為のハーネス
- ペット用のウェットティッシュ
これらは私たちの身近に売っています。
準備万端でも何も起きないならそれでOK!ローリングストックは無駄が出ません。一式を用意すれば心の不安は減ります。
繰り返しますが猫ちゃんはストレスに弱い生き物です。私たちの不安も伝染します。不測の事態に対応できるように、愛猫のため・自分たちのため準備をしておきましょう!